「AIって何から使ってみればいいかわからないですよね…」
そんな風に感じている保育士さんは多いのではないでしょうか。
「難しそう」「失敗したら怖い」「子どもたちの情報を扱うのに大丈夫?」
といった不安もあると思います。
でも、大丈夫です。
AIは私たちが思っているほど難しくありません。
むしろ、日々のおたより作りや事務作業でちょっと悩む時間を短縮してくれる、頼もしい道具なんです。
この記事では、保育現場で使える具体的なAI活用法をご紹介します。
スマホでもできて、無料版で十分。
明日から使える実践的な内容をお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. おたよりの冒頭文や季節のあいさつ

みきさん:「のすけさん、4月のおたより作成で毎回悩むんです。毎年同じような季節のあいさつになっちゃって…新鮮味がないというか」



のすけ:「わかります!僕も以前は『桜が咲いて』『新学期が始まり』とか、同じパターンの繰り返しでした。でも、AIに相談するようになってから、表現の幅がぐっと広がったんですよ」



みきさん:「AIに相談って、どうやるんですか?」



のすけ:「簡単です。例えば、こんな風に聞いてみるんです」
実際の入力例
4月入園シーズンのおたより冒頭文を、明るく前向きに、200文字程度で書いてください。
0歳〜5歳児の保護者向けです。
AI回答例
暖かな春の陽射しとともに、新しい保育園生活がスタートしました。
初めての環境にドキドキしているお子さま、久しぶりの園生活を楽しみにしているお子さま、
それぞれの気持ちに寄り添いながら、安心して過ごせるよう職員一同でサポートいたします。
今年度も子どもたちの笑顔あふれる毎日を、保護者の皆さまと一緒に築いていけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。



のすけ:「このベースがあれば、あとは園の特色や具体的なエピソードを加えるだけ。文章を考える時間が大幅に短縮できるんです」



みきさん:「すごい!これなら私でもできそうです。スマホでも大丈夫ですか?」



のすけ:「もちろんです。ChatGPTやGeminiなど、無料版で十分使えます。移動中や休憩時間にサクッと相談できますよ」



季節ごとの表現に迷ったときは、「梅雨時期の保育園おたより 雨の日も楽しく過ごせる表現で」「運動会前の保護者向け挨拶文 わくわく感を込めて」など、具体的な指示を出すのがコツです。
2. 制作活動や行事のアイデア出し



みきさん:「今度は活動のアイデアで困ってるんです。梅雨時期の室内遊び、毎年同じような内容になってしまって…」



のすけ:「アイデア出しこそ、AIが得意な分野ですね!僕もネタ切れのときはよく相談してます」
実際の入力例
3歳児クラス、梅雨時期の室内遊びのアイデアを5つ教えてください。
準備が簡単で、子どもたちが楽しめるものをお願いします。
AI回答例
1. **雨音楽器づくり**:ペットボトルに米や小豆を入れて、雨の音を再現する楽器作り
2. **てるてる坊主ファッションショー**:色々な材料でてるてる坊主を作って、みんなで発表会
3. **室内キャンプごっこ**:段ボールでテントを作り、中でおやつタイム
4. **雨の日探検隊**:園内を雨の日モードで探検し、いつもと違う発見を楽しむ
5. **水たまり絵の具遊び**:青色の絵の具で画用紙に水たまりを描き、その上に動物シールを貼る



みきさん:「面白いアイデアがいっぱい!でも、そのまま使っても大丈夫なんでしょうか?」



のすけ:「もちろん、安全面や園の方針に合うかは必ずチェックが必要です。AIはあくまでアイデアの出発点。そこから私たちがアレンジしていくんです」



みきさん:「なるほど!行事の企画でも使えそうですね」



のすけ:「そうなんです。『夏祭りの出し物アイデア 準備時間2時間以内で』とか、『誕生日会の出し物 5歳児が主役になれるもの』など、条件を具体的に伝えると、より使えるアイデアが出てきますよ」
制作活動では安全性の確認は必須ですが、マンネリ化しがちな活動に新しい風を吹き込んでくれる頼もしい相棒になってくれます。
3. 保護者への連絡文の言い回し



みきさん:「実は一番困るのが、保護者への連絡文なんです。お迎え時間の変更をお願いするときとか、どう書けば角が立たないか…」



のすけ:「保護者とのコミュニケーションは本当に大切ですよね。AIは言い回しのバリエーションを教えてくれるので、とても助かってます」
実際の入力例
保育園の保護者向けに、お迎え時間を早めてもらいたい連絡文を書いてください。
理由:職員研修のため
お願い口調で、丁寧な表現でお願いします。
AI回答例
保護者の皆さまへ
いつもお世話になっております。
来月○日(○)につきまして、職員の研修実施のため、
お迎えの時間を通常より30分早めていただけますでしょうか。
急なお願いで大変恐縮ですが、
子どもたちによりよい保育を提供するための研修となります。
ご都合がつかない場合は、お気軽にご相談ください。
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。



みきさん:「これなら自然で丁寧ですね。でも、園によって文体とか雰囲気って違いますよね?」



のすけ:「その通りです。だから『もう少しカジュアルに』とか『もっと親しみやすい表現で』と追加で指示すると、園の雰囲気に合わせて調整してくれるんです」



みきさん:「トラブルがあったときの連絡も難しいんです…」



のすけ:「そういう時こそAIが役立ちます。『子ども同士のトラブルを保護者に報告 冷静で建設的な表現で』といった指示で、感情的にならない客観的な文章を作ってくれます」
保護者への連絡文は、園と家庭をつなぐ大切な架け橋。AIの助けを借りて、より良いコミュニケーションを築いていきましょう。
4. 書類・記録業務の表現サポート



みきさん:「個人記録や指導要録の記入も時間がかかって…同じような表現ばかりになってしまうんです」



のすけ:「記録業務は本当に時間がかかりますよね。でも、AIを使えば表現の幅が広がって、より子どもの個性を表現できるようになるんです」
実際の入力例
3歳児の個人記録で使える表現を教えてください。
「友だちとの関わりが苦手だった子が、少しずつ輪に入れるようになった」という成長を表現したいです。
AI回答例
以下のような表現が使えます:
・初めは一人遊びを好んでいましたが、友だちの楽しそうな様子を見て「入れて」と声をかけるようになりました
・最初は遠くから見ているだけでしたが、保育士の仲立ちにより、友だちと一緒に遊ぶ楽しさを感じられるようになりました
・友だちとの関わりに消極的でしたが、共通の興味(積み木遊び)を通じて自然に関わりを持てるようになりました



みきさん:「具体的でわかりやすいです!でも、個人情報とかプライバシーは大丈夫なんでしょうか?」



のすけ:「とても大切な点ですね。実際の子どもの名前や具体的なエピソードは入力しません。『○歳児の一般的な成長表現』として相談するのがポイントです」



みきさん:「なるほど、安心しました。他にはどんな記録で使えますか?」



のすけ:「月案や週案の ねらい を考えるときも便利です。『4歳児クラス 6月の保育のねらい 梅雨時期の室内活動中心で』といった相談ができます」
記録業務では、AIが提案する表現をベースに、実際の子どもの様子を具体的に加えていくことで、より充実した記録が作れるようになります。
5. 表計算(出欠・シフト・行事準備)をちょっと楽に



みきさん:「最後に聞きたいのが、表計算なんです。出欠管理とか行事の準備リストとか、作るのに時間がかかってしまって…」



のすけ:「表計算もAIが得意な分野ですね。テンプレートを作ってもらうと、毎回ゼロから作る手間が省けるんです」
実際の入力例
保育園の運動会準備チェックリストを表形式で作ってください。
項目:準備物品名、担当者、期限、完了チェック欄
10項目程度でお願いします。
AI回答例
| 準備物品名 | 担当者 | 期限 | 完了チェック |
|-----------|--------|------|-------------|
| テント設営 | | 前日 | □ |
| 音響機器確認 | | 3日前 | □ |
| プログラム印刷 | | 1週間前 | □ |
| 玉入れ玉準備 | | 3日前 | □ |
| 競技用具点検 | | 1週間前 | □ |
| 救急用品確認 | | 前日 | □ |
| 駐車場案内看板 | | 前日 | □ |
| 参加賞準備 | | 3日前 | □ |
| 写真撮影担当確認 | | 1週間前 | □ |
| 片付け用具準備 | | 前日 | □ |



みきさん:「これはすごく使えそうです!でも、表計算ソフトが苦手で…」



のすけ:「大丈夫です。このテキストをコピーして、スプレッドシートやエクセルに貼り付けるだけで表になります。スマホでもGoogleスプレッドシートなら無料で使えますよ」



みきさん:「出欠管理はどうでしょう?」



のすけ:「『月間出欠表テンプレート 園児20名分』といった相談もできます。関数を使った自動集計も教えてくれるので、月末の集計作業がグンと楽になりますよ」
実際の入力例
保育園児の月間出欠表で、出席日数を自動計算する方法を教えてください。
エクセル初心者向けに、わかりやすくお願いします。



のすけ:「こういう質問にも、ステップバイステップで教えてくれます。PC作業が苦手な保育士さんにも優しく対応してくれるのがAIの良いところです」
表計算での作業効率化は、一度覚えれば毎月の作業時間を大幅に短縮できる投資になります。
まとめ



のすけ:「みきさん、いかがでしたか?AIって思ったより身近で使いやすいツールでしたよね」



みきさん:「はい!最初は難しそうだと思ってたけど、普通に質問するだけでいいんですね。これなら私でも使えそうです」



のすけ:「大切なのは、AIを使うことが目的ではないということです。私たちの目的は、事務作業にかかる時間を短縮して、子どもたちと向き合う時間をもっと増やすことですよね」



みきさん:「そうですね。毎日のおたより作りに30分かかっていたものが10分になれば、その20分を子どもたちとの時間に使えます」



のすけ:「その通りです。まずは小さく始めてみましょう。明日のおたよりの季節のあいさつ、一文だけでもAIに相談してみてください。きっと新しい表現に出会えて、保育がもっと楽しくなりますよ」



みきさん:「やってみます!ありがとうございました」
AIは私たち保育士にとって、決して複雑な技術ではありません。日々の小さな悩みに寄り添ってくれる、優しい相棒のような存在です。完璧を求めず、「ちょっと楽になればいいな」という気持ちで試してみてください。
子どもたちの笑顔のために、まずは今日から一歩踏み出してみませんか?
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