毎日「ダメ!」「早くして!」を繰り返してしまうのは、あなたのせいじゃない。

子ども 早くして 言ってしまう, 毎日 怒ってしまう 育児, 子ども 動かない 理由, 実行機能 発達, 環境設計 子育て, 声かけ 逆効果
目次

まず、この3行を読んでください

★子どもが動かない本当の理由は「やる気がない」からではなく、脳が処理できる情報量の限界を超えているからです。

★解決のカギは「言葉を選ぶ努力」ではなく、子どもが自然に動ける「環境のスイッチ」を整えること。

★仕組みを変えると、親が声を荒げる回数が減り、子どもの表情が変わり、やがて親自身の自己嫌悪も薄れていきます。


なぜ、子どもの動きは止まるのか

「やる気」や「性格」の問題にしてしまう前に

朝の支度、食事、寝る準備——何度声をかけても動かない我が子を見て、「この子はなぜできないのか」と思ったことはありませんか。でも、最新の行動科学や脳科学が示しているのは、子どもが「止まる」のは意志の弱さとは別のところに原因があるということです。

子どもの脳、特に前頭前野は大人よりもはるかに発達途上にあります。「次に何をすべきか」を自分で計画・切り替えする実行機能が、まだ十分に育っていないのです。そこに「早くして!」という音声情報が加わると、脳はかえって処理の渋滞を起こします。焦りというストレス信号がコルチゾールを分泌させ、さらに体を動かしにくくさせる——という悪循環が、実は毎朝あなたの家でも起きているかもしれません。

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「摩擦」が生まれる場所

大人には当たり前に見える「次の行動」が、子どもの目には複数の選択肢が乱立する迷路として映っています。テーブルの上におもちゃと鉛筆と昨日の服が混在していれば、どこに注意を向ければいいかわからなくなる。この「情報の摩擦」こそが、子どもの足を止める最大の犯人です。

ポイント:怒鳴りたくなる瞬間は、子どもが「さぼっている」瞬間ではなく、情報過多で「固まっている」瞬間であることが多い。


環境デザイン・チェックリスト

精神論ではなく、物理的に「動かざるを得ない設定」を整えるための確認リストです。

  • 次の行動に必要なものだけが、視界に入る状態になっているか
  • 「今やること」が1つに絞られているか(複数の指示が重なっていないか)
  • 次の行動への「導線」が床や棚の配置で自然に作られているか
  • 切り替えが必要な5〜10分前に、予告の合図があるか
  • 子どもの目線の高さに、行動の手がかり(フックや写真)があるか

1つでも「できていない」があれば、そこが改善の余地です。


失敗しないための「仕組み化」3つの柱

1. ルーティンの固定(時間の見える化)

「次に何をするか」を毎回考えさせない環境が、子どもの脳の負荷を劇的に下げます。起床から登園・登校までの流れを固定し、それを視覚的に確認できる形にすることで、親の声かけ回数そのものが減っていきます。アナログ時計やタイムタイマーは、抽象的な「あと10分」を具体的な視覚情報に変えてくれる強力なツールです。

2. 視覚ツールの活用(写真やタイマー)

言葉は消えますが、絵や写真は残ります。やることリストを文字ではなく写真や絵で示すと、読み書きの負荷がない分、子どもが自分で確認しやすくなります。タイマーが鳴るという「外部の締め切り」を設けることで、親が時間の番人にならなくて済む仕組みが生まれます。

3. 役割の明確化(親がどこまで手伝うか)

「やってあげすぎ」は子どもの自律を奪い、「ほうっておきすぎ」は混乱を生みます。親が介入するのはどのタイミングか、どこまでを子ども自身に任せるかを、あらかじめ設計しておくことが重要です。介入の線引きが曖昧だと、親も子もどちらも迷子になります。


よくある「逆効果なアプローチ」と改善点

良かれと思って続けてしまいがちな関わり方にも、見直すべきポイントがあります。

  • 行動の途中で声をかける:切り替えのタイミングではなく、行動が一区切りついた後が介入の黄金タイム
  • 近くに立ってプレッシャーをかける:物理的な距離が近すぎると、子どもの注意が「親を意識すること」に向かってしまう
  • 複数のことを同時に伝える:情報は1回に1つ。追加の指示は、前の行動が終わってから
  • 感情が高まった状態で関わる:親の興奮は子どもに伝染します。まず親が数秒の間を置くことが、環境設計の第一歩

その子に合わせた「設定値」の調整

すべての子どもに同じ仕組みが効くわけではありません。感覚が敏感な子は、騒音や光など余計な刺激を減らすことが最優先になります。疲れやすい子は、午前と夕方でルーティンの難易度を変える必要があるかもしれません。

環境設計は「一度作ったら完成」ではなく、子どもの状態や成長に合わせて微調整し続けるものです。うまくいかない日があったとき、「この設定が今の子に合っていないかも」という視点を持てるだけで、親の受け止め方がずいぶん楽になります。


今日すぐできる5分スターター

記事を閉じる前に、1つだけやってみてください。

  1. 明日の朝、子どもの動線上にある「余計なもの」を1つ片づける
  2. タイムタイマーやキッチンタイマーを、子どもの目に入る場所に置く
  3. 「今日うまくいかなかった場面」を1つ書き出し、どこに摩擦があったか考えてみる
  4. 明日の朝のルーティンを3ステップに絞り、紙に書いて貼る
  5. 子どもが次の行動に進めたとき、何が違ったかを1行メモする

どれか1つで十分です。完璧にやろうとしないことが、仕組みを続けるコツです。


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この記事を書いた人

こんにちは、ゆうたまと申します。
長野県出身で、現在は放課後等デイサービスの児童発達支援管理責任者・管理者として、子どもたちの支援に携わっています。
また、週に一度は幼児向け運動教室を主宰し、発達に合わせた運動あそびを通して「できた!」「楽しい!」を引き出す活動をしています。

ブログでは、
「子どもへの関わり方」「運動あそびの工夫」「支援のアイデア」など、
保育士さんや放デイ職員、保護者の方に役立つ実践的な内容を中心に発信しています。

資格は、保育士・幼稚園教諭Ⅱ種・NESTAキッズコーディネーショントレーナー・かけっこアドバイザー・児童発達支援管理責任者など。
専門的な知識だけでなく、日々の現場で感じた気づきを丁寧に言葉にすることを大切にしています。

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趣味は散歩とディズニー巡り、好きな食べ物はスイーツとラーメン。
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